介護経営情報

各党の政策・公約の中で、介護業界に深く関連する内容を確認しておきましょう(今月は立憲民主党)

新たに石破政権が船出

約1ヶ月前の2024年10月27日(日)に行われた、第50回衆議院選挙。
12年ぶりに与党による安定的な政権運営が難しくなった中、票を獲得した各党が我々介護業界に関連してどのような公約を掲げているのか?を確認しておくことは、介護業界に携わる皆様にとって、とても大切なことなのかもしれません。

そこで、今月から数回にわたり、得票数上位4位までの各党の政策・公約の内、特に介護業界に関連が深そうな内容について採り上げ、確認してまいります(今月は立憲民主党です)。




立憲民主党が公表している公約・政策を確認

では、早速、中身に移ってまいりましょう。
下記は立憲民主党政策集2024からの抜粋です。全部で6個のテーマをピックアップしています(特徴的だな、と感じた部分は太字にしています)。

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介護保険制度
・高齢者人口の増加に伴い、介護サービスの需要が増加していく一方で、支え手である現役世代が減少し、地方自治体の財政負担が大きくなる中で、保険料が過度に増加することがないよう、国庫負担の引き上げ、自己負担の在り方、被保険者の対象について検討を進め、将来に向けて持続可能な介護保険制度を構築します。
・介護報酬の改定に当たっては、全ての介護事業者のサービスが安定的に提供されることや、介護従事者の賃金が改善して生活が安定し、離職が防止されることにつながるよう配慮します。
・介護崩壊を防止するため、訪問介護の基本報酬引き下げを実質的に撤回・見直しします。具体的には、できる限り速やかに訪問介護事業者に訪問介護事業支援金を支給するとともに、次回の改定(令和9年度)を待たずに、できる限り早い時期に訪問介護の介護報酬基準を改定します。
政府が検討している介護保険の負担増(サービス利用の自己負担が2割・3割となる人の対象の見直し、ケアマネジメントへの利用者負担の導入)は、物価高騰の中では、介護サービスの利用控えが起きて、高齢者の要介護度を悪化させる恐れがあります。物価高騰の中では認めません。

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介護サービス提供体制
・地域の絆を強め、医療・介護・教育などが連携することによって、地域包括ケアシステムを拡充し、子どもからお年寄りまで全世代を支援するシステムへと進化させます。特に、かかりつけ医と訪問看護など医療と介護、医療及び介護の従事者、ケアマネジャー等との連携を強化します。
・介護・保育・障がい福祉等の複合施設である共生型福祉施設の整備促進を図ります。
・高齢者が安心して住まいの確保ができるようにするとともに、必要時に介護サービスの提供が受けられ、住み慣れた地域で暮らせるよう配慮します。
介護保険制度から要介護1・2の生活援助サービスを削減することがないようにします。
・福祉用具が高齢者の自立を促進し、重症化を防止していることを重視して、貸与と販売の選択制を導入する前の制度を維持します。
・要介護度の進行の抑制、症状の改善のための介護サービスを重視し、要介護度が改善した場合に事業者が受け取る介護報酬が減らない仕組みを検討します。
・医療療養病床から老健施設等への転換への助成を引き続き行います。

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認知症対策
・認知症予防事業を推進するとともに、認知症になっても住み慣れた地域で暮らすことのできる「見守りのネットワーク」をつくります。その中で、診断後の心身のケア・見守り・生活支援等の早期サポート体制や、初期認知症の人の居場所や生きがいづくりの支援環境を整備し、認知症患者の徘徊(はいかい)対策を推進します。
・初期の認知症の人が早期に診断を受け、一刻も早く専門職や専門機関につながるシステムを構築し、適切なケアが受けられるようにします。
・若年性認知症患者の地域生活、就労支援、認知症グループホームの費用負担軽減を図ります。具体的には、若年性認知症の人については、介護保険優先原則に縛られることなく、就労支援や作業所、移送など障害者総合支援法によるサービスが必要に応じて利用できるようにします。また、若年性認知症への適切なケアが提供されるよう、介護支援専門員や介護スタッフの研修を進めます。
・認知症になっても本人が希望すれば働き続けられるようにするため、企業が認知症に対する理解を深め、支援者を置く等の環境を整えます。

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介護離職ゼロ対策
・介護離職ゼロに向けた取り組みを強化します。
・家族を介護する期間が長期化した場合に介護休業の通算期間を延長するなど、介護する家族の立場に立って、仕事と介護を両立できる環境を整えます。
・介護休業を取得しやすくするため、介護休業中の賃金補償の拡充(毎月の賃金補償実質100%、ボーナスも一定程度手当て)を目指します。
・中小企業が介護休業取得者の代替要員を確保した場合に支給額を加算する「両立支援等助成金」について、加算額の引き上げを含めた見直しを行うことを目指します。
・在宅で介護をしている家族に対するケアを重視し、レスパイト入院(介護家族支援短期入院)など、介護する家族が一時的に介護から解放され、リフレッシュするための支援、カウンセリングなど介護者のメンタル面の支援を進めます。
・複雑になっている居住系サービス全体を整理し、特別養護老人ホームを含め、利用者に合った施設を必要な時に利用できるよう整備・充実します。

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介護従事者の待遇改善
・介護現場の人手不足解消のために、立憲民主党が提出した「介護・障害福祉従事者の人材確保に関する特別措置法案」を早期に成立させます。政府の新たな処遇改善策への上乗せ措置として、全ての介護・障がい福祉事業所で働く全ての職員に対し、月額1万円の処遇改善を行います。
・全ての介護職員の賃金を全産業平均の水準に引き上げることを目指して、着実に処遇改善を行います。
・介護従事者における、施設介護従事者と訪問介護従事者の待遇を同等にします。
・介護従事者のキャリアや能力がより評価されるよう、介護分野のキャリアアップのための制度を推進します。
・介護ロボットやAIの導入に積極的な事業者に対する支援を充実させることで、これらの技術の普及を促進し、介護従事者の負担軽減や作業の効率化を進めます。

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ヤングケアラー支援
・ヤングケアラーについての公的な調査が実施されたことを踏まえ、問題の社会的周知の徹底を図ります。(再掲)
・ヤングケアラーを早期発見し、関係者と情報共有する体制構築の推進、ヤングケアラー家庭への支援、教育や医療、就労など横断的な支援を実現する法律を整備します。カウンセリングなどの支援、家事支援やレスパイトケアなど、子どもと家庭への必要な支援策を拡充し、子どもの心身の発達と学びを支えます。(再掲)
・自治体がヤングケアラーのアセスメントおよびケアマネジメントを行う部署を設置したり人材を確保したりできるよう、国が支援を行います。(再掲)

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各党からの主張・メッセージ、違いをしっかり把握しておくことが重要

以上、紙幅の関係上、今月は立憲民主党に絞って公約・政策からの抜粋を行わせていただきました(次回は国民民主党からの抜粋を確認予定)。

各党の内容を比較してみると、共通するところもあればオリジナル性が高い公約もあったり等、非常に興味深い点が多々見受けられますが、一国民・一有権者として、今回のように介護業界に関連する内容は勿論、それ以外の内容についても各党の主張・メッセージを踏まえておくことはとても重要なことではないか、と感じています。

その意味でもあらためてお時間のある際に下記リンク先の内容に目を通し、各政党の主張・考えを理解した上で日々の政治や行政の動きや発信内容に臨んでいくことが重要ではないか、と考える次第です。

※引用元資料はこちら

https://cdp-japan.jp/visions/policies2024/20

※各党の政策(全体)はこちら

・自民党 https://www.jimin.jp/policy/pamphlet/
・立憲民主党 https://cdp-japan.jp/visions/policies2024
・日本維新の会 https://o-ishin.jp/policy/8saku2024.html
・国民民主党 https://election2024.new-kokumin.jp/policies/specifics/
・公明党 https://www.komei.or.jp/komeipolicy/
・れいわ新選組 https://reiwa-shinsengumi.com/policy/
・共産党 https://www.jcp.or.jp/web_policy/
・参政党 https://www.sanseito.jp/policy/
・日本保守党 https://hoshuto.jp/policy/
・社民党 https://sdp.or.jp/policies/






(2024-11-26)